同じ職場のケアマネが『小規模多機能型居宅介護』がこれから主流になるって言っていたんだけど、
本当なの?
『小規模多機能型居宅介護』……って、なんか色々な施設の特徴が組み合わさったような施設っすよね?
今は比較的元気なお年寄りも多いし、入所する程ではないがリハビリや軽度の介護を必要とするお年寄りも多いからのう。
小規模多機能型住宅介護とは利用者が出来る限り自立した日常生活を過ごすことができるように、状況に応じて施設への通いを中心に短期宿泊や訪問介護を組み合わせるシステムです。
通所やショートステイ、自宅での支援を組み合わせて一人一人にあったオリジナルの介護ケアプランが組めるから、これからどんどん増えていくと予想されています。
在宅やショートなんかの担当が分かれてるなら楽そうだけど……
そんなに大変なのかしら?
漠然としたイメージで浮かぶ仕事内容と、実際の仕事内容のギャップが大きいのが小規模多機能型居宅介護じゃ……。
しっかりと吟味するんじゃよ!
そもそも「小規模多機能」って、どこまでやる施設なの?
小規模といっても利用者の人数はどれくらいなのか、疑問に思っている方も多いことでしょう。
実は小規模多機能型居宅介護施設は通所・宿泊・訪問の3つでそれぞれ定員数が異なるのです。
まずは、施設が受け入れ可能な利用者の人数を表にしてみたぞ!
利用者の登録定員 |
29名以内 |
通所 |
15名以内 |
宿泊 |
9名以内 |
訪問 |
都度対応 |
なるほどー。本当に規模の小さい施設なのね。
これならまだ対応楽そうだけど……。
甘いっすよ、カオリさん。
通所、宿泊、訪問介護全部含まれてるんすよ?
楽なわけないじゃないっすか!
いい所に気が付いたようじゃの。
小規模多機能型居宅介護施設はショートステイやデイサービス、訪問介護すべて揃っているので、利用者は他の介護サービスを契約する事ができません。
利用者は施設が1ヶ所で済むから楽ですが、小規模ゆえに、職員の人数は少なく設定されています。
つまり、対応するサービスが多い分、職員はあれもこれもと仕事が増える、というのが現実なんです。
ええっ!!
それって……もしかして介護職でもほとんどのサービス掛け持ちしなきゃいけないってこと?
そうなるっすね。
通所、宿泊、訪問介護の3つの仕事をこなすことになるみたいっすよ。
小規模多機能型居宅介護施設の利用者のメリットとして『1つの事業所で顔見知りの介護員に一通りの世話をしてもらえる』っていうのがあるからな!
まぁ、働く側も利用者さんの顔が覚えられていいけれど……小規模多機能って、想像以上にハードそうね……。
1つの施設で複数サービス行う
小規模だと思って楽だと思ったら大間違い!
『小規模多機能型居宅介護』は1つの施設で「通所」「宿泊」「訪問介護」の3つのサービスを受ける事のできる施設です。
そのため、介護職員は1人で複数サービスの掛け持ち対応をすることが多く、ハードな現場になります。
夜勤・宿直も、看取りもある。小規模だけどハードな仕事。
でっでも、やっぱり訪問介護とか、それぞれの資格なんかで役割分担するのよね?
まず、この表を見てくれ。
小規模多機能型居宅介護施設の必要職員人数をまとめてみた表だ。
配置職員 |
人数 |
代表者 |
兼務可能 |
管理職 |
兼務可能、常勤 |
訪問介護職員 |
常勤2名以上 |
介護職員 |
常勤3人以上 |
ケアマネ |
ー |
看護師・准看護師 |
1人以上 |
うっ……やっぱり利用者の人数が少ないから職員の最低人数もかなり少ないのね……。
この少人数で利用者の状況を朝から晩まで把握して介護しなきゃならないんだぞ!
宿泊利用者がいるから当然夜勤や宿直もあるんだ!
おおよその1日のスケジュールを表にしてみたぞ!
夜勤・宿直当たり前!一人一人オリジナルのケア!
サービスの1つに宿泊があることから、宿泊している利用者の対応で夜勤は当然、宿直があることも。
当日宿泊利用者がいなくても、
施設利用者の夜間対応窓口として夜勤を置いている所もあります。
宿泊中に体調が悪化することもあり、
終末期介護の利用者がいる場合などは看取りもあるのです。
また通所、宿泊、訪問介護3つのサービスを行っているため、利用者の自宅での状況や普段飲んでいる薬など細かなことまで把握せねばならず、他施設以上に利用者に対して気遣いを求められると言えます。
当然、一人一人ケアプランも異なるため、オリジナルのケアプランを作成・対応の必要があり、仕事は複雑です。
介護スキルアップしたいなら、実はオススメの職場!
小規模っていうから楽かと思ったけど、全然そんなことないのね。
ものすごい大変なのが分かったわ……。
でも、大変だけどやりがいありそうっすね。
利用者のことをよく知ったうえでケアできるのもいいと思うっすよ。
そうじゃの。
利用者をよく知ることで、利用者が望んでいることや利用者の気持ちを知ることにもなるんじゃ。
できる限り利用者の希望に沿う介護や、利用者に満足のいく介護をしたいという人に向いているとも言えるの。
通所、宿泊、訪問介護の3つのサービスを経験することができるから、実はスキルアップにもつながるんだぞ!
スキルアップを考えているなら小規模多機能型居宅介護施設はおすすめなんだ!
スキルアップしたい人にはおすすめの施設!
デイケアやショート、特養などといったサービスと異なり、通所、宿泊、訪問介護3つのサービスを行う小規模多機能型居宅介護施設は、業務内容は激務ですが、実はスキルアップに向いている施設なんです。
一度に3つのサービス業務をこなし、利用者に寄り添い、利用者目線で必要なケアを考える必要があります。
他の施設よりも利用者のことを第一にオリジナルのケアプランを考えることで、介護についての知識や利用者の気持ちなどをより深く知ることができます。